大規模水害の危険が迫ってきたとき、どうしたら多様な江戸川区の私たち「みんな」が、それぞれにあった方法で早期の決断と安全を確保する方法がとれるのだろう –江戸川みんなの防災プロジェクト(EMINBO)は、地域の人と一緒にこの大きな疑問について考えてきました。

そのなかで、「これがあれば全ての問題が解決」という万能薬は無いこと、多様な主体がそれぞれのやり方でかかわることで多様な方法を見出し、この難しい疑問に取り組んでいけるのでは、ということを感じてきました。

そんな折、ひょんなことから、EMINBOメンバーに加え、いつもご一緒している江戸川区や近隣の浸水地域の方、そしてNHK方と一緒に「自由にいろいろと方法を考えてみよう」というオンライン・ワークショップを2021年04月27日(火)に持つことになりました。

専門的知識を提供する専門家として、今までEMINBOの防災ふらっとカフェにも登壇頂いた、あんどうりすさん、ワークショップの記録として、イラストレーターのエムラヤスコさんもご参加、短い時間でしたが、住民の立場、報道立場と、普段あまり一緒に話すことのないメンバーでいろいろなことを話しました。

ワークショップでは、広域避難に対し、正常性バイアス(自分にとって都合の悪い情報を無視したり、過小評価したりしてしまう人の特性のこと)による早期避難阻害要因をどういう風に解決するかを具体的に話し合いました。障害者団体に所属するEMINBOメンバーの個別事案の解決法や、NHKの方々が参加されたことでマスメディアを使う解決法などもあれば、特定の阻害要因に対しての解決法ではなく、意識を変えるきっかけを作ることでの避難率向上を考える(例:ライフイベント、結婚や出産等の自分の意識が変わるタイミングで、防災の意識を高めてもらう)など、新しい視点や話し合うことで興味深いアイデアもありました。

下記にアイデアの一部を記載します。

  • 旅行気分で避難訓練をする。
  • 複数の避難場所を確保する。
  • 避難時に、ただならぬ音で危険を知らせる(いつもとは違う音)。
  • 避難先で介助が必要な方々が集まり、少ない人数でも介助が出来るようにする(限られた資源・人材を効率的・有効に使う)。
  • 障害や病気などにより、広域避難が現実的でない場合は在宅避難での解決方法も考える必要がある。
  • 東京都江東5区250万人全員が広域避難するというのは、時間的猶予から行ってもかなり難しい。
  • 防災ネットワークの構築。
  • 川幅広げる、堤防高くなる、整備される=安心=逃げるのを諦めてしまう。
  • 避難するか、しないかを、そもそも選択できない立場の人が現状いる。

 

色々な議論がありましたが、結果的にEMINBOのメインテーマである「みんなが助かる、みんなで助ける、防災を」考えるワークショップになりました。ここで出たアイデアをどのように形にしていくか、また今後さらに江戸川区の皆様とさらに考えたり、形にしていくのか、活動の中でひとつひとつ進めていきたいと思います。また何か進展がありましたら共有させて頂きます。

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